仕事

救急隊員

救急隊員の仕事とは?
年収・やりがいから「キツい」と
言われる理由まで徹底解説!

街にサイレンが鳴り響く時、病気や怪我で苦しむ人の元へ
いち早く駆けつける命の最前線。それが「救急隊員」です。

「人の命を直接救う仕事がしたい」
という強い想いを胸に、多くの若者が憧れる非常に尊い仕事です。

しかし、その迅速で的確な活動の裏には
常に人の生死と向き合うという計り知れない重圧
過酷な現実が存在します。
この記事では、そんな救急隊員という仕事のリアルを徹底的に解剖します。

 

具体的な仕事内容は?
出動から病院への引き継ぎまで

救急隊員の仕事は、消防署に所属する地方公務員として
急病人や怪我人が発生した現場へ救急車で急行し
応急処置を施しながら、最適な医療機関へ迅速に搬送することです。

出動指令から任務完了までの流れは、まさに時間との戦いです。

  1. 出動指令・情報収集
    119番通報が指令センターに入ると、即座に出動指令が下ります。
    出動準備をしながら、無線で傷病者の年齢、性別、症状
    現場の状況などの情報を収集します。
  2. 現場活動・応急処置
    現場に到着後、傷病者の状態を迅速かつ的確に観察(アセスメント)し
    必要な応急処置を行います。
    出血があれば止血を、呼吸がなければ心肺蘇生を
    と一刻を争う判断と行動が求められます。
  3. 医療機関の選定・連絡
    傷病者の症状や状態に最も適した治療が可能な病院を
    受け入れ可能かどうかも含めて選定し、無線で連絡。
    医師に状況を伝え、指示を仰ぐこともあります。
  4. 搬送
    病院へ向かう救急車の中でも傷病者の容態は刻一刻と変化します。
    バイタルサイン(脈拍、呼吸、血圧など)を常に監視し
    状態の悪化を防ぎながら、安全運転で搬送します。
  5. 医師への引き継ぎ
    病院に到着後、現場の状況、行った処置
    搬送中の容態変化などを、正確に医師へ引き継ぎます(申し送り)。
    この引き継ぎをもって、救急隊員の任務は一旦完了となります。

必要な資格は?
救急救命士との違いは?

救急隊員になるには?

まず、救急隊員は消防士です。
そのため、各自治体が実施する「消防官採用試験」に合格
消防士になることが第一歩です。

採用後、消防学校での厳しい訓練を経て消防署に配属されます。
その後、本人の希望や適性に応じて救急業務に関する専門の研修を受け
「救急隊員」として任命されます。

必要な資格と「救急救命士」

救急隊員になるために最初から特別な資格は必要ありません。
しかし、救急活動の質を高めキャリアアップしていく上で
「救急救命士」という国家資格が極めて重要になります。

項目

救急隊員(一般)

救急救命士(国家資格)

行える処置

応急処置(心肺蘇生、止血など)

応急処置 救急救命処置

救急救命処置とは、心肺停止状態の傷病者に対し
医師の具体的な指示のもとで行える
より高度な医療行為のことです(特定行為と呼ばれます)。

  • 器具を用いた気道確保
  • 静脈路確保(点滴)
  • 薬剤の投与

これらの処置は救急救命士の資格を持つ隊員にしか許されていません。
そのため、現代の救急医療において、救急救命士は不可欠な存在であり
多くの救急隊員が、働きながらこの国家資格の取得を目指します。

 

気になる給料・年収事情

救急隊員は地方公務員(消防士)であるため
その給与は安定しており、日本の平均年収を上回る水準です。

  • 全体の平均年収:約635万円
    (総務省の調査に基づく消防士全体の平均)

年齢や階級に応じて着実に昇給していくのに加え
救急出動の回数に応じた「救急出場手当」や
24時間交代制勤務に伴う夜勤手当などが支給されます。

また救急救命士の資格を取得すると、資格手当が加算されるため
さらに収入は上がります。

 

仕事のやりがいと大変なこと・厳しさ

やりがい

人の命を直接救えるという、究極の使命感:
絶望的な状況にある傷病者の命を
自分の知識と技術で繋ぎ止めることができた時の達成感は
他の何物にも代えがたいものです。

傷病者や家族からの、心からの感謝:
「あなたたちが来てくれなかったら、どうなっていたか…」という
涙ながらの感謝の言葉が、日々の過酷な業務の支えになります。

チームで困難な現場を乗り越える達成感:
救急隊は通常3名1チーム。緊迫した現場で
チーム一丸となって一人の命を救うというミッションを達成した時の連帯感は格別です。

大変なこと・厳しいこと

常に人の「死」と向き合う、精神的ストレス:
全力で処置をしても、救えない命はあります。
悲惨な事故現場や、ご遺体を目の当たりにすることによる
精神的な負担は非常に大きいものです。

24時間交代制の過酷な勤務:
勤務日は24時間、消防署に待機します。
仮眠中でも、出動指令があれば即座に現場へ向かわなければならず
肉体的・精神的な消耗は激しいです。

一瞬の判断ミスも許されないプレッシャー:
現場での判断ひとつが、傷病者の生死を分けます。
その計り知れない責任とプレッシャーは、常に肩にのしかかります。

絶え間ない学習と訓練:
救急医療は日進月歩。常に最新の知識を学び
いかなる状況にも対応できるよう
厳しい訓練を日々繰り返さなければなりません。

 

あなたはどっち?
救急隊員に向いている人・向いていない人

【向いている人の特徴】

  • 何よりもまず、「人の命を救いたい」という強い意志と使命感を持つ人
  • 極限状況でも冷静さを失わない、強靭な精神力を持つ人
  • 瞬時に状況を判断し、的確な行動がとれる、高い判断力を持つ人
  • チームワークを重んじ、仲間と協力できる人
  • 不規則な勤務にも耐えられる、体力と自己管理能力がある人

【向いていない人の特徴】

  • 血や悲惨な光景を見るのが苦手な人
  • プレッシャーに弱く、パニックになりやすい人
  • 精神的に繊細で、人の不幸を引きずってしまう人
  • 安定したカレンダー通りの休日を望む人
  • 個人プレーを好む人

 

最も重要な医療の最前線

救急隊員の仕事は、単なる「病人や怪我人を運ぶ」仕事ではありません。
それは、救急車という「走る救命室」
医師に命のバトンを繋ぐまでの最も重要な時間その全てを担う医療の最前線です。

その道は過酷な訓練と人の生死と向き合う精神的な厳しさに満ちています。
しかし、その先には「ありがとう」という言葉の重み
救えた命の輝き、そして社会を守るという
何物にも代えがたい揺るぎない誇りが待っています。

もしあなたが強靭な心と体、そして目の前の命を救いたい
という燃えるような情熱を持っているなら
救急隊員という道はあなたの人生を懸けるに値する、最も尊いキャリアとなるでしょう。

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aki
akiです。過去の交通事故で夢を諦め、人生の挫折から多くを学びこれからの人生をより豊かに生きるため日々精進しております。 調べることが大好きでわからないこと知りたいことがあればとにかく調べるやってみる!好奇心が絶えません!