仕事

住職

住職の仕事とは?
年収・やりがいから「キツい」
と言われる理由まで徹底解説!

 

お盆やお彼岸、そして葬儀や法事の際に、厳かな読経で故人を偲び
私たちの心に寄り添ってくれる「お坊さん」
その中でも、ひとつの寺院を預かり
その維持管理と運営の全てを担う最高責任者「住職」です。

「お経を読むのが仕事」
「なんだか高尚で、謎めいた存在」
といったイメージを持つ方も多いかもしれません。

しかし、その穏やかな袈裟姿の裏には宗教家としての務めだけでなく
寺院という組織を運営する「経営者」として
そして地域社会に貢献する「コミュニティの核」としての
非常に多岐にわたる顔が存在します。

この記事では、そんな住職という仕事のリアルを徹底的に解剖します。

 

具体的な仕事内容は?
お経を読むだけではない!

住職の仕事は、仏教の教えを人々に伝え
儀式を執り行う「宗教家」としての側面と
寺院を維持・運営していく「管理者・経営者」としての側面を併せ持っています。

1. 宗教家としての務め

これが住職の最も中核となる仕事です。

法要・儀式の執行
檀家(だんか)さんの依頼を受け、葬儀や年忌法要、お盆やお彼岸の供養などを行います。

日々の勤行(ごんぎょう)
毎朝、本堂でお経を読み、ご本尊やご先祖様への感謝と、人々の平和を祈ります。

布教活動・相談業務
法話会などを通じて、仏教の教えを分かりやすく伝えます。
また、檀家さんや地域の人々からの人生の悩みや苦しみに関する相談に乗り
仏教の教えに基づき、心の安らぎを得る手助けをします。

2. 管理者・経営者としての務め

寺院という「組織」と「不動産」を、未来へ繋いでいくための仕事です。

寺院の維持管理
境内や墓地の清掃、建物の修繕計画の立案など、広大な寺院の施設を管理します。

会計・財務管理
お布施や護持会費(ごじかいひ)などの収入を管理し
寺院の運営に必要な経費を計画的に支出します。

檀家との関係維持
檀家名簿の管理や、寺報の作成・送付などを通じて
檀家さんとのコミュニケーションを図ります。

地域社会との連携
地域のイベントに参加したり寺院の施設を地域活動の場として提供したり
地域社会との繋がりを深めることも、現代の住職に求められる重要な役割です。

 

住職になるには?
必要な資格は?

A. 住職になるためには
各宗派が定める「僧侶」としての資格が絶対に必要です。

住職への道は、所属する宗派(浄土宗、曹洞宗、日蓮宗など)に
よって大きく異なりますが一般的には以下のような
厳しい修行のステップを踏む必要があります。

【住職になるまでの一般的なルート】

1. 師僧を見つけ、弟子入りする(得度式)
僧侶になることを決意し
師匠となる僧侶(師僧)のもとで仏門に入ります(得度)。

2. 修行道場での修行、または仏教系大学での学習
各宗派が指定する修行道場(僧堂)に入り
厳しい戒律の中で禅の修行や仏教の学習に励みます。
あるいは、仏教系の大学で専門知識を学びます。

3. 僧階(そうかい)の取得
修行や学習の段階に応じて
宗派内の「僧侶としての位」である僧階が与えられます。

4. 住職になるための資格を取得
一定以上の僧階を得て、さらに宗派が定める研修などを修了することで
初めて「住職」になるための資格(住職資格)を得ることができます。

多くの場合自分の実家が寺院である「寺の跡継ぎ」
この道を歩むことになります。

 

気になる給料・年収事情

住職の収入は一般的な会社員の給与とは異なり
寺院の規模や檀家の数、そして地域の慣習によって
まさにピンからキリまで、非常に大きな差があります。

全体の平均年収:約300万円~700万円

これはあくまで一般的な目安です。
寺院からの給与という形で受け取る場合もあれば
寺院の収入全体が、住職とその家族の生活費となる場合もあります。

収入源

お布施
葬儀や法要の際に、檀家さんからいただく謝礼。

護持会費
寺院の維持管理のために、檀家さんが年会費として納めるもの。

墓地の管理料など。

都心部にある大規模な寺院や、多くの檀家を持つ歴史ある寺院の住職は
年収1,000万円を超えることも珍しくありません。

一方で、過疎化が進む地方の小さな寺院では
住職の収入だけでは生活できず、副業(公務員や教員など)をしながら
寺院を維持しているケースも少なくありません。

 

仕事のやりがいと大変なこと・厳しさ

やりがい

人の人生の節目に深く寄り添えること

人の「死」という、最も厳粛で大切な瞬間に立ち会い
故人を見送り、遺された家族の悲しみに寄り添える非常に尊い役割です。

「ありがとう」という感謝の重み

法要を終え遺族から「先生のおかげで、心が少し軽くなりました」と
深い感謝の言葉をいただいた時の喜びは、何物にも代えがたいものです。

仏の教えを探求し、自らを高められる

日々の勤行や学習を通じて、仏教の奥深い教えに触れ
自らの人間性を高めていくことができます。

大変なこと・厳しいこと

365日、休みがない

寺院は住職の「家」であり、職場です。お盆やお彼岸
年末年始といった世間が休みの時こそ最も忙しい時期となります。

常に人の「死」と向き合う精神的負担

悲しみに暮れる遺族と接し続けることは、精神的に非常に消耗します。

檀家付き合いと地域社会との関係維持

様々な考えを持つ檀家さんとの人間関係や
地域社会からの期待に応え続けることは、大きなプレッシャーとなります。

寺院維持の経済的負担

檀家離れや後継者不足が進む現代において
寺院を維持していくこと自体が大きな課題となっています。

 

あなたはどっち?
住職に向いている人・向いていない人

【向いている人の特徴】

何よりもまず、仏教の教えに深い敬意と関心を持つ人
人の苦しみや悲しみに、心から寄り添える、深い慈悲の心を持つ人
コミュニケーション能力が高く、聞き上手な人
強い責任感と、地道な努力を続けられる人
伝統や文化を守り、伝えていきたいという想いがある人

【向いていない人の特徴】

安定した休日や、プライベートな時間を最優先したい人
精神的に繊細で、他人の感情に引きずられやすい人
経営や、人付き合いが苦手な人
世俗的な成功や、高い収入だけを求める人
宗教や、目に見えない世界に関心がない人

 

運営の全てを担う最高責任者

住職は、単に儀式を執り行うだけの仕事ではありません。

それは仏の教えの体現者として人々の生老病死という
根源的な苦しみに寄り添い寺院という文化遺産と
そこに集う人々の想いを未来へと繋いでいく極めて崇高な使命を担う仕事です。

その道は俗世から一歩引いた、孤高で厳しい道のりかもしれません。
しかし、その先にはお金や名誉では決して得られない
人の心を救うという深く、そして温かいやりがいが待っています。

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ABOUT ME
aki
akiです。過去の交通事故で夢を諦め、人生の挫折から多くを学びこれからの人生をより豊かに生きるため日々精進しております。 調べることが大好きでわからないこと知りたいことがあればとにかく調べるやってみる!好奇心が絶えません!