パン職人の仕事とは?
年収・やりがいから「キツい」
と言われる理由まで徹底解説!
街角から漂う、焼きたてパンの香ばしい匂い。
その香りに誘われ、パン屋に足を踏み入れた時の
あの幸福感を誰もが一度は経験したことがあるでしょう。
その幸せな空間と美味しいパンを生み出すプロフェッショナル
それが「パン職人(ブーランジェ)」です。
「好きなパン作りを仕事にしたい」
「いつか自分のお店を持ちたい」
そんな夢を抱く人も多い、クリエイティブで魅力的な仕事です。
しかし、その温かいイメージの裏には
早朝からの過酷な肉体労働や
常に最高の品質を求められる職人としての厳しい現実が存在します。
この記事では、そんなパン職人という仕事のリアルを徹底的に解剖します。
具体的な仕事内容は?
日の出前から始まる一日
パン職人の1日は、多くの人がまだ眠っている深夜
あるいは早朝から始まります。
その仕事は単に「パンを焼く」だけではありません。
- 仕込み・生地作り(捏ね、発酵、分割、成形)
小麦粉や酵母、水、塩といったシンプルな材料から
その日の気温や湿度を肌で感じ取りながら完璧な生地を作り上げます。パンの味と食感の8割はこの工程で決まると言われる
最も重要で繊細な作業です。 - 焼成(しょうせい)
成形した生地を、巨大なオーブンで焼き上げます。
パンの種類ごとに最適な温度と時間を見極め
最高の焼き色と香りを引き出します。 - 仕上げ・陳列
焼きあがったパンにクリームを詰めたり
惣菜を挟んだりといった仕上げ作業を行い
お客様が最も魅力的に感じるように、店内に美しく並べます。 - 接客・販売
特に小規模な店舗ではパン職人自らがレジに立ち
お客様とコミュニケーションを取ることも大切な仕事です。 - 新商品の開発
季節のフルーツを使ったり新しい食材の組み合わせを試したりと
お客様を飽きさせないための、創造性あふれる新商品の開発も行います。
パン職人になるには?
必要な資格は?
A. 法律で定められた必須の資格はありません。
しかし、持っていると技術の証明になり
有利になる資格はあります。
飲食店を開業するために必要な「食品衛生責任者」や
ある程度の規模の店舗に必要な「防火管理者」は
独立開業する際には必須となります。
しかし、パン職人として働くために
学歴や特定の資格は法律で定められていません。
そのため、未経験からでもパン屋にアルバイトとして入り
見習いからキャリアをスタートさせることが可能です。
【持っていると有利な資格】
- 製パン技能士(国家資格)
パン作りの技術レベルを国が証明する資格。
自分の技術を客観的に示すことができ、就職や転職の際に有利になります。 - パンシェルジュ検定
パンに関する幅広い知識(歴史、文化、マナーなど)を持つことの証明になります。
気になる給料・年収事情
パン職人の収入は、働き方や経験、役職によって大きく異なります。
- 見習い期間:年収250万円~350万円
まずは基本的な技術を学ぶ下積み時代です。 - 中堅クラス:年収350万円~500万円
一人前に仕事を任されるようになると、収入も安定してきます。 - 独立開業:年収500万円~1,000万円以上も
自分のお店を持ち、人気店となれば
会社員時代を大きく上回る収入を得ることも夢ではありません。
自分のお店を持てば、パンの値段は材料費や人件費
そして自分の技術に対する価値を考慮して、経営者として自分で決定します。
仕事のやりがいと大変なこと・厳しさ
やりがい
「美味しい!」という最高の褒め言葉
自分が心を込めて作ったパンを、お客様が「美味しい」
と笑顔で食べてくれる。
その瞬間が、何物にも代えがたい最大のやりがいです。
ゼロから生み出す、ものづくりの喜び
小麦粉という「粉」の状態から自分の手で香り高く
美味しいパンという「かたち」を生み出す達成感。
自分のアイデアが商品になる創造性
自分の考えたオリジナルパンが
お店の看板商品になることも夢ではありません。
大変なこと・厳しいこと
早朝からの過酷な肉体労働
日の出前の出勤は当たり前。一日中立ちっぱなしで
重い小麦粉の袋を運んだり熱いオーブンの前で作業したりと
非常に過酷な肉体労働です。
厳しい徒弟制度の世界
昔ながらの職人気質の店では厳しい上下関係の中で
「見て盗め」というスタイルで技術を学ぶことも少なくありません。
休日の少なさ
個人経営の店では週に1日の休みがやっと
ということも珍しくありません。
あなたはどっち?
パン職人に向いている人・向いていない人
【向いている人の特徴】
- 何よりもまず、パンが好きで、ものづくりが好きな人
- 体力に自信があり、早起きが苦にならない人
- 地道な作業を、コツコツと続けられる忍耐力がある人
- 探求心が旺盛で、常により美味しいものを追求できる人
- 「美味しい」で人を笑顔にしたいという、温かい気持ちを持つ人
【向いていない人の特徴】
- 体力に自信がない人、朝が極端に苦手な人
- 単調な作業や、地道な努力が苦手な人
- アレルギー体質の人(小麦粉や酵母など)
- 安定したカレンダー通りの休日を望む人
- 大雑把な性格の人
クリエイティブで魅力的な仕事
パン職人への道は華やかなイメージとは裏腹に
早朝からの厳しい肉体労働と地道な努力の積み重ねが求められる
険しい「職人」の道です。
しかし、その道のりの先には自らの手で人々を笑顔にし
「美味しい」という最高の言葉を直接受け取ることができる
何物にも代えがたい温かいやりがいが待っています。
もしあなたがパンへの尽きない愛情と
厳しい修行を乗り越える覚悟を持っているなら
パン職人という仕事は、あなたの人生を豊かにする
素晴らしいキャリアとなるでしょう。
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