仕事

水族館の飼育員

水族館の飼育員の仕事とは?
年収・やりがいから「キツい」
と言われる理由まで徹底解説!

 

巨大な水槽の中を優雅に泳ぐ魚たち愛らしい姿で
私たちを魅了するペンギンやイルカ。
その生命の輝きに満ちた「水族館」は多くの人にとって夢と癒やしの空間です。

その舞台裏で生き物たちの命を預かり
最高の状態で輝かせるプロフェッショナルそれが「水族館の飼育員」です。
「生き物が好き」という純粋な気持ちを仕事にできる
子どもから大人まで憧れの職業のひとつです。

しかし、その穏やかなイメージの裏には過酷な肉体労働や
命と向き合うことの厳しい現実が存在します。
この記事では、そんな水族館の飼育員という仕事のリアルを徹底的に解剖します。

 

具体的な仕事内容は?
生き物の「全て」を支える

水族館の飼-員の仕事は単に「エサをあげる」だけではありません。
担当する生き物たちが健康でその生き物らしく暮らせるよう
生活のすべてを支えることです。

1. 給餌(きゅうじ)と調餌(ちょうじ)

  • 調餌
    担当する生き物に合わせてアジやイワシといったエサを
    食べやすい大きさに切ったり栄養バランスを考えて
    サプリメントを混ぜたりと、調理・準備します。
  • 給餌
    準備したエサを与えます。
    ただ与えるだけでなく、一頭一頭がきちんと食べたか
    食べ残しはないかなどを健康状態の指標として厳しくチェックします。

2. 健康管理と環境整備

これが飼育員の最も重要な仕事です。

  • 健康観察
    泳ぎ方や体の表面に異常はないか、他の個体との関係は良好かなど
    些細な変化も見逃さないよう、常に観察します。
  • 水槽の清掃と水質管理
    生き物たちが快適に過ごせるよう、水槽のガラスや底に付いたコケを落とし
    ろ過槽の点検や水質検査を行います。
  • トレーニング
    イルカやアシカなどの海獣類には、ショーのためだけでなく
    体重測定や採血といった健康管理(ハズバンダリートレーニング)を
    スムーズに行うためのトレーニングも行います。

3. 展示・教育活動

水族館の「中の人」として、来館者に生き物の魅力を伝えることも大切な役割です。

  • ショーの企画・実施
    イルカやアシカのショーの構成を考え、司会進行も務めます。
  • 解説・ガイドツアー
    お客様からの質問に答えたり、水槽の前で生き物の生態について解説したりします。
  • イベント企画
    季節ごとの特別展や、バックヤードツアーなどを企画・運営します。

 

飼育員になるには?
必要な資格は?

A. 法律で定められた必須の資格や学歴はありません。
しかし、専門知識を持つことが
事実上のスタートラインです。

求人は非常に少なく人気も高いため狭き門として知られています。
そのため未経験者が採用されることは極めて稀です。
多くの人は、以下のステップを踏んで専門知識とスキルを身につけます。

【飼育員になるための一般的なルート】

  • 専門学校や大学で学ぶ
    海洋生物学や水産学などを学べる動物系の専門学校や
    大学の水産学部・海洋学部などに進学し
    専門知識を身につけるのが最も一般的なルートです。

【持っていると有利な資格】

  • 潜水士(国家資格)
    大型水槽に潜っての清掃や、生き物の捕獲・観察に必須となるため
    非常に有利な資格です。
  • 学芸員(国家資格)
    水族館は博物館の一種でもあるため
    展示や研究に関する専門知識を持つ学芸員の資格も高く評価されます。
  • 獣医師(国家資格)
    言わずもがな、生き物の治療ができる獣医師の資格は、最強の武器となります。

 

気になる給料・年収事情

「好き」を仕事にする代表的な職業ですが
その給与水準は残念ながら日本の平均年収と比較して低い傾向にあります。

  • 全体の平均年収:約340万円~350万円
  • 初任給の目安:月給18万円~21万円

公立の水族館の場合は地方公務員としての給与体系となるため
比較的安定していますが私立の水族館の場合は
経営状況によって給与や賞与が変動します。
収入よりも、後述する「やりがい」に重きを置く人が目指す職業と言えるでしょう。

 

仕事のやりがいと大変なこと・厳しさ

やりがい

好きな生き物と深く関われること
毎日、担当の生き物と向き合いその成長や繁殖
新しい行動を発見できた時の喜びは何物にも代えがたいものです。

命を預かり、育む達成感
自分のケアで生き物が健康に暮らし時には繁殖に成功して
新しい命の誕生に立ち会えた時の感動は、この仕事ならではの醍醐味です。

お客様の笑顔と感動を創り出せること
自分の解説やトレーニングしたイルカのショーで
子どもたちが目を輝かせ、歓声を上げる。
その光景は、日々の苦労を忘れさせてくれます。

大変なこと・厳しいこと

体力的な負担
重いエサ(冷凍の魚など)を運んだり、一日中水槽の掃除をしたりと
非常に過酷な肉体労働です。腰痛は職業病とも言えます。

命と向き合う精神的な負担
どんなに手を尽くしても担当していた生き物が
病気で死んでしまうことがあります。
その悲しみや無力感と向き合い次の命へと繋げるための糧に
しなければならない、精神的なタフさが求められます。

地道で単調な作業の繰り返し
華やかなショーの裏側には膨大な量の掃除や
エサの準備といった地道で根気のいる作業が延々と続きます。

 

あなたはどっち?
水族館の飼育員に向いている人・向いていない人

【向いている人の特徴】

  • 何よりもまず、「生き物が好き」で、その命に真摯に向き合える人
  • 体力に自信があり、体を動かすことが苦にならない人
  • 観察力に優れ、小さな変化にも気づける人
  • 地道な作業を、コツコツと続けられる忍耐力がある人
  • 人と接するのが好きで、生き物の魅力を伝えたいという想いがある人

【向いていない人の特徴】

  • 「生き物が可愛い」という気持ちだけで、地道な世話や掃除が苦手な人
  • 体力に自信がない人
  • 生き物の死に対して、精神的に立ち直るのが難しい人
  • 高い給料や、安定した休日を最優先したい人
  • 大雑把な性格の人

 

生き物たちを最高の状態で輝かせるプロ

水族館の飼育員は、ただ生き物にエサをあげるだけの仕事ではありません。
それは科学的な知識と深い愛情、そして強靭な心身をもって
水の中に生きるかけがえのない命の「全て」を守り
その輝きを人々に伝える、非常に尊い仕事です。

その道は決して楽なものではなく
給料も恵まれているとは言えないかもしれません。

しかし、それを乗り越えた先にはお金では決して得られない
命と向き合うことの喜びと人々に感動を与えるという
何物にも代えがたい揺るぎない誇りが待っています。

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ABOUT ME
aki
akiです。過去の交通事故で夢を諦め、人生の挫折から多くを学びこれからの人生をより豊かに生きるため日々精進しております。 調べることが大好きでわからないこと知りたいことがあればとにかく調べるやってみる!好奇心が絶えません!