外科医の仕事とは?
年収・やりがいから「キツい」と
言われる理由まで徹底解説!
「神の手」と称される驚異的な技術。
緊迫した手術室で冷静沈着にチームを率い患者の命を救う「外科医」
医療ドラマなどでも花形として描かれ
医師の中でも特に多くの人が憧れを抱く存在です。
しかし、その輝かしいイメージの裏には
文字通り人の命をその手で左右するという計り知れない重圧と
心身の限界が試される、極めて過酷な現実が存在します。
この記事では、そんな外科医という仕事のリアルを徹底的に解剖します。
具体的な仕事内容から、なるための険しい道のり
気になる年収、そしてこの仕事でしか得られないやりがいと
その厳しさまで世界のすべてを詳しくお伝えします。
外科医になるには?
医師になってからが本当のスタート
外科医になるための道は、医師になるための長い道のりに加え
さらに専門的なトレーニングを積む非常に長く、険しいものです。
必要な資格と道のり
外科医として働くためには、まず「医師免許」が絶対に必要です。
【外科医になるための基本的なロードマップ】
1. 大学の医学部に入学(6年間)
大学受験における最難関、医学部に合格します。
2. 医師国家試験に合格
6年間の課程を修了し、国家試験に合格して「医師免許」を取得します。
3. 初期臨床研修(2年間)
「研修医」として、内科や救急など、様々な診療科をローテーションで回り、医師としての基礎を学びます。
4. 外科専門研修(3~5年以上)
ここからが外科医としての本格的なスタートです。
外科の「専攻医(せんこうい)」として大学病院などで
指導医のもと数多くの手術を経験し専門的な知識と技術を叩き込まれます。
5. 外科専門医の取得
一定の経験を積み厳しい試験に合格して初めて
一人前の「外科専門医」として認められます。
医師になってから、少なくとも5年以上の歳月を要します。
具体的な仕事内容は?
手術だけではない!
外科医の仕事は、単に「手術をする」だけではありません。
1人の患者を「術前から術後まで」トータルで診る
非常に幅広い業務を担います。
手術(術中管理)
これが最も中核となる仕事です。
病巣を正確に切除し正常な組織を可能な限り
温存するミクロン単位の精度が求められる繊細な手技。
手術中は、麻酔科医や看護師と連携し患者の容態を
常に監視しながらチーム全体を率います。
術前管理
手術の前にはCTやMRIなどの検査結果を詳細に分析し
最も安全で効果的な手術方法を計画します。
そして患者さんとその家族に病状と手術のリスクを丁寧に説明し
同意を得る(インフォームド・コンセント)ことも非常に重要な仕事です。
術後管理
手術が終わった後も、患者さんが無事に回復するまで
その経過を注意深く見守ります。
病棟を回診し創部の状態を確認したり
術後の合併症が起きていないかをチェックしたりします。
外来診療・救急対応
手術が必要かどうかを判断するための外来診察や
交通事故などで運ばれてくる患者の緊急手術にも24時間体制で対応します。
気になる給料・年収事情
外科医は、その高い専門性と過酷な労働環境から
医師の中でも特に高い給与水準となっています。
全体の平均年収:約1,500万円~2,500万円
ただし、年齢や経験、勤務先によって大きく異なります。
若手外科医(30代):年収1,000万円~1,500万円
中堅・ベテラン外科医(40代~):年収1,800万円~3,000万円以上
大学病院よりも、民間の病院の方が給与は高い傾向にあります。
また、自分でクリニックなどを開業する「開業医」になれば
さらに高い収入を得ることも可能ですが経営者としての手腕が問われます。
仕事のやりがいと大変なこと・厳しさ
やりがい
人の命を、自分の「手」で直接救えること
これが外科医にとって、何物にも代えがたい最大のやりがいです。
絶望的な状況にあった患者の病巣を取り除き
元気になって退院していく姿を見送る時の達成感は、計り知れません。
患者さんや家族からの、心からの感謝
「先生のおかげで、命が助かりました」という
人生の重みが詰まった感謝の言葉日々の過酷な業務の支えになります。
チームで困難な手術を乗り越える達成感
何時間にも及ぶ困難な手術を麻酔科医や看護師といった
最高のチームと共に乗り越えた時の連帯感と達成感は格別です。
大変なこと・厳しいこと・危険なこと
計り知れない責任とプレッシャー
自分のメス一本が、患者の生死を分けます。
一瞬の判断ミスも許されないというプレッシャーは、他の職業の比ではありません。
心身を削る過酷な労働環境
長時間に及ぶ手術での極度の集中力
昼夜を問わない緊急手術の呼び出し(オンコール)
当直勤務など肉体的にも精神的にも常に限界が試される仕事です。
訴訟リスク
最善を尽くしても手術の結果が思わしくない場合や
合併症が起きた場合に患者側から訴訟を起こされるリスクが常に伴います。
絶え間ない勉強と訓練
外科の術式は日進月歩。常に最新の論文を読み
新しい技術を習得するための勉強と訓練を一生涯続けなければなりません。
あなたはどっち?
外科医に向いている人・向いていない人
【向いている人の特徴】
• 何よりもまず強靭な精神力と、卓越した集中力を持つ人
• 極度のプレッシャーの中で、常に冷静な判断ができる人
• 手先が器用で、空間認識能力が高い人
• 人の命を預かるという、強い責任感と倫理観を持つ人
• タフな体力と、不規則な生活に耐えられる自己管理能力がある人
【向いていない人の特徴】
• プレッシャーに弱い、精神的に繊細な人
• 手先が不器用な人
• 血を見るのが苦手な人
• 安定したカレンダー通りの休日を望む人
• チームワークが苦手な人
強靭な精神力と、卓越した集中力
外科医への道は人の体という最も神秘的で複雑な領域に挑む、
長く険しい道のりです。
その仕事は常に人の死と隣り合わせの
計り知れないほどの重圧との戦いです。
しかし、その道のりの先には自らの「手」で失われかけた命を救い
人々に未来を贈ることができるという
他の何にも代えがたい尊いやりがいが待っています。
もしあなたが強靭な心と体、そして人の命を救いたい
という燃えるような情熱と覚悟を持っているなら
外科医という道は、あなたの人生を懸けるに値する
最も挑戦しがいのある崇高なキャリアとなるでしょう。
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