漁師の仕事とは?
年収・なり方から「キツい」
と言われる理由まで徹底解説!
食卓に並ぶ新鮮で美味しい魚。
その海の恵みを私たちの元へ届けてくれる海のプロフェッショナル
それが「漁師」です。
「自然を相手に、自分の腕一本で生きていく」
そんな力強く、ロマンあふれる姿に
憧れを抱く人もいるかもしれません。
しかし、そのたくましいイメージの裏には過酷な自然環境との戦いや
常に危険と隣り合わせの厳しい現実が存在します。
この記事では、そんな漁師という仕事のリアルを徹底的に解剖します。
具体的な仕事内容は?
海の上だけではない!
漁師の仕事は、単に「魚を獲る」だけではありません。
漁に出ていない時間も、次の漁への準備や、船・道具のメンテナンスなど
その仕事は多岐にわたります。
1. 漁労作業(海の上での仕事)
これが漁師の最も中核となる仕事です。
漁法や狙う魚によって、そのスタイルは大きく異なります。
• 沿岸漁業
日帰りで操業する漁。定置網やまき網、イカ釣りなど
地域に根ざした多種多様な漁法があります。
• 沖合漁業
数日間〜数週間、船の上で生活しながら漁を行います。
• 遠洋漁業
数ヶ月、時には1年以上にわたり
世界の海を舞台にマグロなどを追いかけます。
漁の時間は、夜明け前の暗いうちから始まることもあれば
夜通し行われることもあり、非常に不規則です。
2. 陸上での仕事
海から港に戻ってきても、仕事は終わりではありません。
• 選別・水揚げ
獲ってきた魚を種類や大きさごとに素早く選別し
市場へ出荷します。
• 漁具のメンテナンス
破れた網を修繕したり、釣り針を準備したりと
次の漁に使う道具の手入れは欠かせません。
• 船の清掃・整備
大切な仕事場である船を常に最高の状態に保ちます。
3. 養殖業
近年では、魚を「獲る」だけでなく
「育てる」養殖業も、漁業の重要な柱となっています。
稚魚の育成から、生簀(いけす)の管理、エサやりまで
計画的な生産管理が求められます。
漁師になるには?
必要な資格は?
A. 乗組員として働く場合
必須の資格は特にありません。
しかし、独立を目指すなら複数の資格が必要となります。
学歴や経験を問わず、未経験からでも漁業会社や
親方のもとに弟子入りすることで
漁師としてのキャリアをスタートさせることが可能です。
【独立・自営のために必要となる資格】
• 小型船舶操縦士免許(1級または2級)
自分で漁船を操縦するために、必須の国家資格です。
2級は沿岸から5海里(約9km)まで
1級はほぼ全ての海域を航行できます。
• 海上特殊無線技士
沖合では携帯電話が通じないため
他の船や港と連絡を取り合うための無線を操作するのに必要です。
• 漁業権
各地域の漁業協同組合(漁協)に加入し
その海域で漁業を営む権利を得る必要があります。
多くの地域で、新規就業者向けの研修や
資格取得支援制度が設けられています。
気になる給料・年収事情
漁師の収入は「水揚げ高(漁獲量)次第」であり
非常に不安定なのが大きな特徴です。
• 全体の平均年収:約200万円~600万円
これはあくまで目安です。
獲る魚の種類、漁法
そしてその年の漁獲量によって収入は大きく変動します。
• 収入の仕組み
• 歩合制
漁獲高から、船の燃料費やエサ代などの経費を差し引き
残りを乗組員で分配する方式。
大漁に恵まれれば、一度の漁で数十万円を手にすることもあり
若くして年収1,000万円以上を稼ぐ人もいます。
• 固定給制
漁業会社によっては、安定した固定給が支払われる場合もあります。
天候が悪く、漁に出られない日が続けば
収入はゼロという厳しい現実と常に隣り合わせです。
仕事のやりがいと大変なこと・厳しさ
• やりがい
• 大自然との一体感と、大漁の喜び
自らの知識と経験、そして勘を頼りに自然を読み
狙い通りの魚を大量に獲れた時の興奮と達成感は
何物にも代えがたいものです。
• 新鮮で美味しい魚を食べられる特権
市場に出回らないような珍しい魚や
獲れたての最高の鮮度の魚を
日常的に味わうことができます。
• 自分の腕一本で稼ぐ、実力主義の世界
年齢や学歴に関係なく努力と実力次第で
高収入を得ることが可能です。
• 大変なこと・厳しいこと・危険なこと
• 常に危険と隣り合わせであること
「板子一枚下は地獄」という言葉があるように
荒天時の転落や、漁具に体を巻き込まれるなど
常に生命の危険が伴います。
• 過酷な肉体労働
重い網や漁具を扱い揺れる船上で作業するため
強靭な体力は必須です。
夏は炎天下、冬は凍えるような寒さとの戦いです。
• 不規則な生活と、家族と離れる時間
早朝・深夜の勤務は当たり前。
沖合・遠洋漁業では
数ヶ月単位で家族と会えない生活になります。
• 収入の不安定さ
自然相手の仕事であるため
不漁が続けば収入が激減するというリスクが常にあります。
あなたはどっち?
漁師に向いている人・向いていない人
【向いている人の特徴】
• 何よりもまず、海や魚が好きで
自然を相手にすることが苦にならない人
• 体力と精神的なタ-フさ(忍耐力)を持つ人
• チームワークを大切にできる、協調性のある人
• 不規則な生活に対応できる、柔軟性のある人
• 自分の判断で行動できる、決断力のある人(特に独立する場合)
【向いていない人の特徴】
• 船酔いがひどい人
• 体力に自信がない人
• 安定した収入や、カレンダー通りの休日を望む人
• 厳しい上下関係や、共同生活が苦手な人
• 大雑把で、危険予知が苦手な人
自分の腕一本で生きていく
漁師は、日本の豊かな食文化を、その最前線で支える
極めて重要で誇り高い仕事です。
その道は、常に危険と隣り合わせで、
安定とは無縁の厳しい自然との真剣勝負です。
しかし、それを乗り越えた者だけが手にすることができる
大漁という名の圧倒的な達成感と
大自然から与えられる豊かな恵みがあります。
もしあなたが都会の喧騒から離れ自らの五感と腕を信じて
大海原という無限の可能性に挑戦したいと願うなら
漁師という仕事は、あなたの人生を懸けるに値する
最も刺激的なキャリアとなるでしょう。
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