農業の仕事とは?
年収・なり方から「キツい」
と言われる理由まで徹底解説!
太陽の下、広大な大地で自らの手で
「食」を生み出す仕事「農業」
採れたての新鮮な野菜や果物、そして黄金色に輝く稲穂。
その姿は私たちの生命の源であり
多くの人が「田舎暮らし」や「スローライフ」と共に
憧れを抱く、魅力的な世界です。
しかし、その牧歌的なイメージの裏には自然という
決して人間の思い通りにはならない自然という大きな存在と向き合う
厳しさと奥深さが存在します。
この記事では、そんな農業という仕事のリアルを徹底的に解剖します。
具体的な仕事内容は?作物を「育てる」だけではない!
農業の仕事は、単に「畑を耕し、種をまき、収穫する」だけではありません。
「消費者においしい食べ物を安定的に届ける」というゴールから逆算した
非常に多岐にわたる業務で成り立っています。
• 栽培管理
これが最も中核となる仕事です。
• 土づくり
堆肥などをまき、作物が元気に育つための
ふかふかの土を作ります。
• 種まき・植え付け
育てる作物に合わせて、適切な時期に種をまいたり苗を植え付けたりします。
• 育成管理
水やり、雑草取り、害虫駆除、追肥(ついひ)
ビニールハウスの温度管理など作物が収穫の時を迎えるまで
毎日、我が子のように世話を続けます。
• 収穫・出荷
最も喜ばしい瞬間ですが、時間との戦いでもあります。
旬を逃さないよう、一斉に収穫し形や大きさをそろえて袋や箱に詰め
市場やスーパー、直売所などへ出荷します。
• 農閑期の仕事
作物を育てていない冬などの期間も休んでいるわけではありません。
• 農地の整備
次の作付けに向けて、土壌の改良や、傷んだ農道の補修などを行います。
• 農業機械のメンテナンス
トラクターやコンバインといった高価な機械が
常に最高の状態で動くよう、点検・整備します。
• 経営・販売戦略
今年の作柄を分析し
「来年は何を作付けするか」
「どこに、いくらで売るか」
といった経営者としての計画を練ります。
農業で働くには?
必要な資格は?
A. 農業を始めるために
法律で定められた必須の資格や学歴は
一切ありません。
極端に言えば、農地さえあれば、誰でも今日から農家になることができます。
しかし効率的に、そして安全に作業を進める上で
事実上、必要となる資格やスキルは多数あります。
【事実上、必要となる資格・スキル】
• 普通自動車免許(MT推奨)
軽トラックの運転は、農作業に必須です。
多くの軽トラックはマニュアル車(MT)のため、MT免許が推奨されます。
• 大型特殊免許・けん引免許
大型のトラクターや、コンバインを公道で運転するために必要となります。
• フォークリフト運転技能講習
収穫した作物や、重い肥料などを運ぶ際に、非常に役立ちます。
【未経験から始めるには?】
全国の自治体やJA(農協)では新規就農者向けの研修制度が充実しています。
農業大学校で専門知識を学んだり先進的な農家さんのもとで
働きながら実践的な技術を学んだり(農業研修)する道が一般的です。
気になる給料・年収事情
農業の収入は「その年の収穫量と、作物の価格次第」であり
非常に不安定なのが大きな特徴です。
• 全体の平均年収:約200万円~500万円
これはあくまで目安です。
作る作物の種類、経営規模
そしてその年の天候によって収入は大きく変動します。
台風などの自然災害で、収穫直前の作物が全滅してしまえば
収入はゼロどころか、それまでにかかった経費でマイナスになる
という厳しい現実と常に隣り合わせです。
一方で、ブランド野菜の生産に成功したり
加工品(ジャム、ジュースなど)の販売や
観光農園といった「6次産業化」に取り組んだりすることで
年収1,000万円以上を稼ぐ、成功した経営者も数多く存在します。
仕事のやりがいと大変なこと・厳しさ
• やりがい
• 「食」という、生命の根幹を支える誇り
自分の育てた作物が人々の血となり肉となり健康な体を作っている。
その社会貢献性の高さは何物にも代えがたいものです。
• 自然の恵みと、収穫の喜び
種から育てた作物が太陽と大地の恵みを受けて立派に実り
収穫を迎えた時の喜びは、格別です。
• 自分の采配で、全てを決められる自由さ
何を、いつ、どのように育てるか。
全てを自分の判断で決められる
経営者としての醍醐味があります。
• 大変なこと・厳しいこと
• 自然相手の、予測不可能な現実
どんなに努力しても、台風、干ばつ、大雨、病害虫の発生といった
人間の力ではどうにもならない要因で
一年間の苦労が水の泡になることがあります。
• 365日、休みがない
植物や動物に、「休日」はありません。
毎日、畑の様子を見に行ったり
水やりをしたりと、気が休まる時がありません。
• 過酷な肉体労働
夏の炎天下での草むしりや冬の寒空の下での収穫作業など
非常に過酷な肉体労働です。腰痛は職業病とも言えます。
あなたはどっち?
農業に向いている人・向いていない人
【向いている人の特徴】
• 何よりもまず、自然や植物が好きで、土に触れることが苦にならない人
• 体力に自信があり、体を動かすことが好きな人
• 地道な作業を、コツコツと続けられる忍耐力がある人
• 予測不可能な事態にも、臨機応変に対応できる、柔軟な思考を持つ人
• 経営的な視点を持ち、常に新しい挑戦ができる人
【向いていない人の特徴】
• 虫が極端に苦手な人
• 体力に自信がない人
• 安定した収入や、カレンダー通りの休日を望む人
• 計画通りに進まないと、パニックになる人
• 単調な作業が苦手な人
命を育む食を繋ぐ
農業は、単なる「田舎でのんびり暮らす」ための仕事ではありません。
それは、科学的な知識と長年の経験そして何よりも自然への深い敬意をもって
私たちの「命」そのものを育む極めて尊く、そして奥深い仕事です。
その道は決して楽なものではなく
常に自然の猛威という厳しい現実と向き合わなければなりません。
しかし、それを乗り越えた先には自らの手で「食」を生み出し
人々の笑顔を創り出すという何物にも代えがたい
揺るぎない誇りが待っています。
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