仕事

麻薬取締官

麻薬取締官の仕事とは?
年収・なり方から
「マトリ」の危険なリアルまで徹底解説!

 

「マトリ」 その通称で知られ、薬物犯罪の闇に鋭く切り込む
謎に包まれた捜査官「麻薬取締官」

ドラマや映画では時に非情なまでに犯人を追い詰める
孤高でタフなヒーローとして描かれます。

その仕事は私たちの社会を蝕む麻薬・覚醒剤といった不正薬物を
この国から根絶やしにすることを誓った、究極の専門家集団です。

しかし、その正義感の裏には常に死と隣り合わせの危険
想像を絶する精神的プレッシャーが存在します。
この記事では、そんな麻薬取締官という仕事のリアルを徹底的に解剖します。

 

具体的な仕事内容は?
警察官とは違う「マトリ」の領域

麻薬取締官は、厚生労働省の地方厚生局に所属する国家公務員です。
警察官も薬物事件を捜査しますが
麻薬取締官(マトリ)にはより専門的で特殊な権限と役割があります。

  • 情報収集・内偵捜査
    これがマトリの仕事の神髄です。
    密売組織の情報を得るため、協力者(情報提供者)を確保したり
    時には自ら身分を隠して犯罪組織に接近する「潜入捜査」を行ったりします。
  • おとり捜査
    麻薬取締官には、警察官には認められていない
    「おとり捜査」が法律で許可されています。
    これは、捜査官が買い手を装って、密売人から薬物を購入し
    現行犯逮捕に繋げるという極めて危険な捜査手法です。
  • 家宅捜索・逮捕
    内偵捜査で証拠を固めた後、裁判所の令状を持って
    被疑者の自宅やアジトに踏み込み
    薬物を押収し被疑者を逮捕します。
  • 取り調べ・送検
    逮捕した被疑者を取り調べ、事件の全容を解明し
    検察官に事件を引き継ぎます(送検)。
  • 薬物乱用防止の啓発活動
    学校などで、薬物の恐ろしさを伝える講演会を行うなど
    犯罪を未然に防ぐための活動も重要な仕事です。

 

麻薬取締官になるには?
必要な資格は?

A. 国家公務員試験に合格することが必須です。
特定の学部出身である必要はありませんが
薬学や法学の知識は有利に働きます。

麻薬取締官になるための、決まったルートはひとつです。

【麻薬取締官になるためのルート】

  1. 国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)を受験し、合格する

    試験区分は「行政」または「電気・電子・情報」のいずれかです。
  2. 各地方厚生局麻薬取締部の官庁訪問(面接)を受け、内定を得る

【有利になる知識・資格】
法律上、薬剤師の資格を持つ者
または大学で法学か薬学を専攻した者は
採用試験の受験資格が得やすくなるという規定があります。

そのため、薬学部や法学部の出身者が多いのは事実ですが
それ以外の学部出身者でも試験に合格し
強い意志があれば採用される道は開かれています。

採用後は研修施設で法律知識、逮捕術、拳銃の安全な取り扱いなどを学び
一人前の麻薬取締官としてのキャリアがスタートします。

厚生労働省地方厚生局麻薬取締部

 

気になる給料・年収事情

麻薬取締官は国家公務員でありその給与は
一般の行政職よりも高い「公安職俸給表(一)」が適用されます。

  • 全体の平均年収:約600万円~800万円
    年齢や階級に応じて、着実に昇給していきます。
  • 初任給(大卒の場合):月額 約25万円~

これに加えて危険な潜入捜査や
夜間の張り込みなどに対する特殊勤務手当夜間手当などが支給されるため
実際の収入はさらに高くなります。

国家公務員であるため、福利厚生も非常に手厚く
安定した身分が保障されています。

 

仕事のやりがいと大変なこと・危険性

やりがい

社会正義の実現という、究極の使命感

自分の仕事が薬物による悲劇から人々を守り
社会の安全を根底から支えているという何物にも代えがたい誇り。

困難な捜査を成し遂げた達成感

何ヶ月、時には何年にもわたる地道な内偵捜査の末
巨大な密売組織を一網打尽にした時の達成感は計り知れません。

チームで掴む勝利

常に危険を共にする仲間との間には
家族以上の固い信頼関係が生まれ
チームで目標を達成する喜びは格別です。

大変なこと・厳しいこと・危険なこと

常に生命の危険と隣り合わせ

潜入捜査中に正体がバレれば命の保証はありません。
家宅捜索の際には刃物や銃で抵抗される可能性もあります。

計り知れない精神的プレッシャー

薬物によって心も体もボロボロになった人々の悲惨な現実を
日常的に目の当たりにします。
また、人を欺き、裏切ることが前提の捜査は
精神を大きく消耗させます。

不規則な生活とプライベートの制限

張り込みや内偵のため、昼夜を問わず
休日返上で働くことは日常茶飯事です。
また、身の安全を守るため
プライベートでも身元を明かせないなど多くの制約があります。

 

あなたはどっち?
麻薬取締官に向いている人・向いていない人

【向いている人の特徴】

  • 何よりもまず、不正を許さない、極めて強い正義感と使命感を持つ人
  • 強靭な精神力(メンタルタフネス)と、冷静な判断力を持つ人
  • 人間観察が鋭く、人の嘘や本質を見抜く洞察力がある人
  • 口が堅く、自分を律することができる人
  • 潜入捜査などで、別人になりきれる演技力と度胸がある人

【向いていない人の特徴】

  • 情に流されやすい、お人好しな人
  • プレッシャーに弱く、精神的に繊細な人
  • 安定したカレンダー通りの休日を望む人
  • 自分の仕事や身分を、他人に話したい人
  • 正義感が強すぎて、単独行動に走りがちな人(チームワークが最重要)

 

究極の専門家集団

麻薬取締官は、単なる「公務員」や「捜査官」ではありません。
それは、自らの身の危険を顧みず社会の最も深い闇に潜り
薬物という見えざる敵から
私たちの平和な日常を守り抜く究極の守護者です。

その道は、決して華やかなものではなく常に自己犠牲を強いられる
過酷で孤高な道のりです。

しかしその先には、この国から薬物をなくすという
何物にも代えがたい揺るぎない誇りが待っています。

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ABOUT ME
aki
akiです。過去の交通事故で夢を諦め、人生の挫折から多くを学びこれからの人生をより豊かに生きるため日々精進しております。 調べることが大好きでわからないこと知りたいことがあればとにかく調べるやってみる!好奇心が絶えません!