巫女の仕事とは?
給料・なり方からその知られざる
「キツい」現実まで徹底解説!
白衣と緋袴(ひばかま)に身を包み
神社の静謐(せいひつ)な空気の中で神様に仕える「巫女(みこ)」。
その清らかで神秘的な姿は、日本の伝統文化を象徴する
多くの人が一度は憧れる存在です。
「なんだか素敵」
「神聖な場所で働けるなんて」
そんなイメージを持つ方も多いかもしれません。
しかし、その優美な立ち居振る舞いの裏には神事への深い敬意と
時には体力勝負となる厳しい現実が存在します。
この記事では、そんな巫女という仕事のリアルを徹底的に解剖します。
具体的な仕事内容は?
神様と参拝者の「架け橋」
巫女の仕事は、単に「お守りを渡す」だけではありません。
神職(神主)を補佐し、神様と、神社を訪れる人々との「架け橋」となる
非常に多岐にわたる務めを担います。
御神前での奉仕
神楽舞(かぐらまい)の奉納
神事や祭典、結婚式などで神様を慰め
人々の祈りを捧げるための神聖な舞を奉納します。
神職の補佐
祭典が滞りなく進むよう祭具を準備したり
玉串(たまぐし)を運んだりと神職をサポートします。
参拝者への対応
授与品の頒布(はんぷ)
お守りやお札、おみくじ、御朱印などを参拝者に授与します。
それぞれの意味やご利益について正しく説明することも大切な仕事です。
祈祷の受付・案内
七五三や厄祓いなどの御祈祷の申し込みを受け付け、社殿へ案内します。
神社の維持管理
境内の清掃
参拝者が常に清々しい気持ちでお参りできるよう
境内や社殿を掃き清めます。
神聖な場所を保つ基本にして最も重要な務めです。
事務作業
電話応対や授与品の在庫管理、パソコンでの書類作成など
神社の運営を支える事務的な仕事も行います。
巫女になるには?
必要な資格は?
A. 法律で定められた必須の国家資格や学歴は
一切ありません。
しかし、誰でもすぐになれるわけではなく
いくつかの慣習的な条件が存在します。
【事実上、求められる条件】
心身ともに健康な未婚の女性
これが最も基本的な条件とされています。
年齢は、高校卒業後から20代半ばまでとしている神社が多いのが実情です。
清潔感のある身だしなみ
黒髪(染髪不可)、ナチュラルメイク、
ピアスや派手なネイルは禁止など
神様に仕える者として、厳しい規定が設けられています。
【未経験から始めるには?】
正職員(本職巫女)
神職の娘や親族など、神社と縁のある人がなるケースが多いですが
一般公募されることもあります。
求人数は非常に少ないため、狭き門です。
助勤(じょきん)/助務(じょむ)
年末年始やお祭りなど、繁忙期に募集されるアルバイトの巫女です。
多くの人がこの助勤として巫女の仕事を経験します。
「巫女体験」として、大学生などに非常に人気があります。
気になる給料・年収事情
巫女の収入は、働き方(正職員か助勤か)や
神社の規模によって大きく異なります。
正職員の場合:月給 約17万円~25万円
想定年収:約250万円~380万円
国家公務員のような給与体系ではなく、各神社の規定に基づきます。
賞与(ボーナス)が支給される場合もあります。
一般的な事務職と同等か、それより少し低めの水準であることが多いです。
助勤(アルバイト)の場合:時給 約1,000円~1,500円
年末年始などの超繁忙期には、日給1万円を超えることもあります
仕事のやりがいと大変なこと・厳しさ
やりがい
日本の伝統文化に深く携われること
普段は立ち入れない神聖な空間で
古来より続く神事や作法に触れられることは
何物にも代えがたい貴重な経験です。
人々の人生の節目に立ち会える喜び
結婚式や七五三、安産祈願など、人々の幸せな瞬間に立ち会い
その祈りを神様へ届ける手助けができる、非常に尊い役割です。
「ありがとう」という感謝の言葉
参拝者から「心が安らぎました」と
穏やかな表情で感謝される時
この仕事の意義を深く感じられます。
大変なこと・厳しいこと
体力的な負担
特に繁忙期は、一日中立ちっぱなしです。
また、冬の境内は非常に寒く
足元から芯まで冷える中での長時間の奉仕は想像以上に過酷です。
覚えることの多さ
神道の専門用語、神社の歴史、多種多様な授与品の意味
そして厳格な立ち居振る舞いや言葉遣いなど、覚えるべきことは山ほどあります。
あなたはどっち?
巫女に向いている人・向いていない人
【向いている人の特徴】
- 何よりもまず、神社や日本の伝統文化に、深い敬意と関心を持つ人
- 礼儀正しく、言葉遣いが丁寧な人
- 体力と精神的な忍耐力がある人
- 清潔感があり、定められた規則をきちんと守れる人
- 人のために尽くすことに、喜びを感じられる人
【向いていない人の特徴】
- 体力に自信がない、または寒さに極端に弱い人
- 自分の個性(髪色やネイルなど)を表現したい人
- 人と話すのが苦手な人
- 地道な作業や、裏方仕事が苦手な人
- 安定した高い収入を最優先したい人
神事への深い敬意と体力勝負
巫女は、単なる「神社の受付係」ではありません。
それは、神様と人とを繋ぎ、日本の美しい伝統と精神を
その身をもって未来へと伝えていく、清らかで誇り高い奉仕の仕事です。
その道は決して楽なものではなく、見えない場所での地道な努力と
厳しい自己規律が求められます。
しかし、それを乗り越えた先には日常では決して得られない
心が洗われるような達成感と日本の精神文化の奥深さに触れる
というかけがえのない経験が待っています。
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