中学校教諭の仕事とは?
年収・やりがいから
「思春期」と向き合う厳しさまで徹底解説!
「中二病」という言葉に象徴される、人生で最も感情が揺れ動き
多感な時期である「思春期」。
その嵐のような3年間を専門知識と深い愛情をもって導き
支えるプロフェッショナル、それが「中学校教諭」です。
「自分の好きな教科を教えたい」という憧れを持つ一方で
「生徒指導が大変そう」
「部活動で休みがなさそう」
といった厳しいイメージを持つ方も多いでしょう。
この記事では、そんな中学校教諭という仕事のリアルを徹底的に解剖します。
小学校や高校との決定的な違い、具体的な仕事内容
そしてこの仕事でしか得られない深いやりがいまで
その世界のすべてを詳しくお伝えします。
小学校・高校との決定的な違いは?
中学校教諭の立ち位置は、小学校とも高校とも全く異なります。
• 小学校教諭との違い
「全教科」を教え、生活指導の基礎を築くのが小学校です。
一方、中学校からは「教科担任制」となり
自分の専門教科(国語、数学、英語など)を教える
「教科のプロ」としての側面が強くなります。
• 高校教諭との違い
同じ教科担任制ですが、高校が「大学受験」や「就職」といった
「進路指導」に重きを置くのに対し
中学校は義務教育の最終段階として学習の基礎を固めつつ
何よりも「思春期」という心の発達に真正面から向き合う
「生徒指導(生活指導)」の比重が極めて重いのが特徴です。
中学校教諭になるには?
必要な資格は?
中学校の先生として教壇に立つためには、専門の国家資格が絶対に必要です。
1. 必要な資格
中学校教諭免許状
この免許状は、小学校の免許状とは異なり
「教科ごと」に分かれています(例:「国語」「数学」「英語」など)。
大学などで教職課程を履修し
自分の専門教科の免許状を取得する必要があります。
2. 公立学校で働くには
「教員採用試験」の突破が必須
免許状を取得(または取得見込み)した上で
各都道府県や政令指定都市が実施する
「教員採用試験」に合格しなければなりません。
これが公立学校の先生になるための最大の関門です。
具体的な仕事内容は?
「教科」と「生徒指導」の両輪
中学校教諭の仕事は、自分の専門教科を教えることと
生徒の心を育てることの2つの大きな柱で成り立っています。
• 教科指導
自分の専門教科のプロとして、授業準備(指導案作成)
授業の実践、テストの作成・採点、成績評価を行います。
「いかに生徒の知的好奇心を引き出し、学力を伸ばすか」を追求する
この仕事の醍醐味の1つです。
• 学級担任・生徒指導
これが中学校教諭の仕事の「核心」であり、最も困難な部分でもあります。
• ホームルーム運営
担任として、朝礼や終礼、クラス運営を行います。
• 生活指導
服装の乱れや、友人関係のトラブル、SNSでの問題
時にはいじめや不登校といった
思春期特有の複雑でデリケートな問題に真正面から向き合います。
• 進路指導
高校受験に向けて
生徒ひとりひとりの適性や希望に合わせたアドバイスを行います。
• 部活動の顧問
放課後や休日に部活動の指導にあたります。
技術指導だけでなく大会への引率、練習試合の調整など
教師の長時間労働の大きな要因となっている非常に負担の重い業務です.
• 校務分掌・保護者対応
体育祭や文化祭などの学校行事の運営、学校の事務作業(校務分掌)
そして授業参観や個人面談を通じた保護者との連携も重要な仕事です。
気になる給料・年収事情
中学校教諭(公立)は、地方公務員であるため
その給与は法律に基づいて定められており、非常に安定しています。
• 全体の平均年収:約600万円~700万円
年齢や経験年数、役職(教頭、校長など)に応じて
年功序列で着実に昇給していきます。
• 初任給の目安:月給 約21万円~24万円
これに加えて、各種手当(扶養手当、住居手当など)や
民間のボーナスにあたる「期末・勤勉手当」(年2回)が支給されます。
景気に左右されない安定性は、この仕事の大きな魅力の1つです。
仕事のやりがいと大変なこと・厳しさ
やりがい
人生で最も劇的な「変化」に立ち会う
• 生徒の「心の成長」を実感できる
反抗的だった生徒が部活動や行事を通じて
仲間を思いやるようになったり、自分の将来について真剣に語り始めたり。
そんな子どもから大人へと脱皮する
最も劇的な「心の成長」に立ち会えることは計り知れない喜びです。
• 専門教科の「面白さ」を伝えられる
自分の大好きな教科の魅力を伝え
生徒が「数学って面白い!」
「英語が話せるようになりたい!」
と目を輝かせた瞬間は、大きなやりがいを感じます。
大変なこと・厳しいこと
嵐のような3年間
• 「思春期」との真正面からのぶつかり合い
これが最大の厳しさです。
友人関係、恋愛、家庭への不満、アイデンティティの悩みなど
一筋縄ではいかない生徒たちの心と
常に向き合い続ける精神的なタフさが求められます。
• 部活動による長時間労働
「教師の仕事は、授業より部活がメインなのでは」と言われるほど
土日祝日を問わない部活動の顧問業務は
プライベートな時間を大きく圧迫します。
• 複雑化する保護者対応
いわゆる「モンスターペアレント」と呼ばれるような
過度な要求だけでなく
生徒の家庭環境そのものが複雑化しており
学校だけでは解決できない問題に直面することも少なくありません。
あなたはどっち?
中学校教諭に向いている人・向いていない人
【向いている人の特徴】
• 何よりもまず、タフな精神力(メンタル)を持つ人
• 自分の専門教科に対する、熱い情熱を持つ人
• 思春期の子どもの「面倒くささ」も含めて、向き合える愛情深い人
• 忍耐強く、人の話を最後まで聞ける人
• 感情的にならず、公平・公正に物事を判断できる人
【向いていない人の特徴】
• プライベートやワークライフバランスを最優先したい人
• 精神的に繊細で、他人の感情に引きずられやすい人
• 反抗的な態度や、理屈の通らない言動に、すぐに感情的になる人
• 自分の専門教科だけを、静かに教えていたい人
• 安定だけを求めている人(精神的なタフさが続かない)
学生を導き支えるプロフェッショナル
中学校教諭は、単なる「教科の先生」ではありません。
それは人生で最も不安定で
最も可能性に満ちた「思春期」という嵐の海を
生徒たちと共に航海する水先案内人であり、カウンセラーです。
その道は決して楽なものではなく
時に自分の時間も心も削られる、過酷なものです。
しかし、それを乗り越えた先には
1人の人間が劇的に成長する瞬間に立ち会えるという
何物にも代えがたい、揺るぎない感動と誇りが待っています。
他の仕事も見てみる→Check

