フードコーディネーターの仕事とは?
年収・なり方から
「キツい」現実まで徹底解説!
雑誌やテレビCM、Instagramで目にする
あの「シズル感」あふれる美味しそうな料理。
その「美味しい瞬間」を演出し
私たちの食欲を刺激する影の立役者
それが「フードコーディネーター」です。
「食べることが好き」
「料理を美しく見せるのが得意」
そんな「好き」を仕事にできる
華やかでおしゃれなイメージの職業です。
しかし、そのセンスが光る世界の裏には、緻密な計算と
時には体力勝負となる地道な努力が存在します。
この記事では、そんなフードコーディネーターという仕事の
リアルを徹底的に解剖します。
具体的な仕事内容は?
「食」のシーンを総合演出
フードコーディネーターの仕事は
単に「料理を盛り付ける(スタイリングする)」だけではありません。
クライアントの要望に応え「食」に関わる
あらゆるシーンを総合的に演出しプロデュースすることがその使命です。
活躍の場は、主に以下の4つに分かれます。
• 1. レシピ開発・調理
雑誌やWebメディア、食品メーカーの依頼を受け
テーマに沿った新しいレシピを考案し実際に調理します。
見た目の美しさだけでなく家庭でも再現できる美味しさや
商品の魅力を引き出す独創性が求められます。
• 2. スタイリング(フードスタイリスト)
これが最もイメージに近い仕事です。
料理を最も美味しく見せるため、お皿やカトラリー
テーブルクロス、背景の小物までを選び抜き
完璧な構図でセッティングします。
• 3. メディア(CM・雑誌・ドラマ)の撮影立ち会い
撮影現場で出来立ての料理が最高の状態でカメラに映るよう
細心の注意を払います。
(例:湯気を出す、ビールの泡を立てる、アイスが溶けないように工夫するなど)。
時間との戦いであり、高度な技術が必要です。
• 4. 企画・コンサルティング
飲食店の新メニュー開発の手伝いや
食品メーカーの新商品に関するアドバイス
食に関するイベントの企画・運営など
「食の専門家」としてビジネスそのものに関わることもあります。
必要な資格は?
未経験からでもなれる?
A. 法律で定められた必須の国家資格はありません。
しかし、プロとして活動するためには
知識と技術の証明が不可欠です。
学歴や経験を問わず
「フードコーディネーター」と名乗れば誰でもなれる仕事ですが
現実には専門知識がなければ仕事は獲得できません。
【持っていると圧倒的に有利な資格】
• NPO法人日本フードコーディネーター協会(JFC)認定資格
フードコーディネーターの資格として
最も知名度と信頼性が高い民間資格です。
3級(基礎知識)から
2級(アシスタント)
1級(プロ)とステップアップしていきます。
• 調理師免許(国家資格)
「調理」は仕事の基本です。
調理技術と食の安全に関する知識を持つ証明として
非常に強力な武器となります。
• 栄養士・管理栄養士(国家資格)
健康や栄養に関する専門知識は
ヘルシー志向のレシピ開発や
説得力のあるコンサルティングに直結します。
【一般的なキャリアパス】
多くの場合、専門学校などで基礎を学んだ後
プロのフードコーディネーターのアシスタントとして現場に入り
数年間の厳しい下積み(洗い物、買い出し、雑務など)を経て
独立するのが一般的です。
気になる給料・年収事情
フードコーディネーターの収入は
その働き方(アシスタントか、独立フリーランスか)や
知名度・実績によって、まさにピンからキリまでです。
• アシスタント(下積み)時代:年収100万円~200万円
この時期は、「給料」というより
「勉強させてもらう」という意味合いが強く
アルバイトを掛け持ちしなければ生活が難しいことも珍しくありません。
• 独立・フリーランス:年収300万円~600万円
最も一般的な層です。コンスタントに仕事を受けられるようになれば
一般的な会社員と同等かそれ以上の収入を得ることが可能です。
• トップクラス:年収1,000万円以上
テレビや雑誌で名前が知られ企業との大型契約や
書籍の印税などが入るようになれば、収入は青天井です。
仕事のやりがいと大変なこと・厳しさ
やりがい
究極の「好き」を仕事に
• 「美味しい」と「美しい」を創り出せる
自分の感性と技術で、ただの食材が
人の心を動かす「作品」に変わっていく。
その達成感は何物にも代えがたいものです。
• ゼロから生み出す創造性
レシピやスタイリングに「絶対の正解」はありません。
常に新しいアイデアを形にし
それが世の中に発信される喜びがあります。
• 人々の食生活を豊かにできる
自分が考案したレシピが誰かの家庭の食卓に並び
「美味しいね」という笑顔を生み出す。
社会への貢献度も高い仕事です。
大変なこと・厳しいこと
華やかなイメージとのギャップ
• 圧倒的な体力勝負
これが最大の厳しさです。
撮影は早朝から深夜に及ぶことも日常茶飯事。
重い食器や調理器具、食材を何往復も運んだり
一日中立ちっぱなしだったりと
見た目とは裏腹に、非常に過酷な肉体労働です。
• 長時間の下積み時代
アシスタント時代は、給料が低いだけでなく
ひたすら地道な裏方作業(買い出し、洗い物、掃除)の連続です。
この期間に心が折れてしまう人も少なくありません。
• 時間との戦いというプレッシャー
撮影現場では料理が最も美味しい「一瞬」を切り取るため
時間との戦いです。
アイスクリームは溶け、湯気は消え
揚げ物はしんなりします。
失敗が許されない極度の緊張感が伴います。
• 危険なこと
重い機材による腰痛、調理中の火傷や切り傷といった
物理的な危険も日常的に伴います。
あなたはどっち?
フードコーディネーターに向いている人・
向いていない人
【向いている人の特徴】
• 何よりもまず、「食」に対する尽きない探求心と情熱を持つ人
• 体力に自信があり、早朝や深夜の勤務も厭わない人
• 美的センスがあり、美しいもので人を感動させたい人
• 地道な作業や、裏方仕事をコツコツと続けられる人
• クライアントの意図を汲み取る、高いコミュニケーション能力がある人
【向いていない人の特徴】
• 体力に自信がない人
• 「華やかな部分」だけをやりたい人
• 大雑把な性格で、細かい作業が苦手な人
• 安定した収入や、カレンダー通りの休日を望む人
• 自分のこだわりが強すぎて、人の意見を聞けない人
食の総合プロデューサー
フードコーディネーターは、単なる「料理が好きな人」や
「おしゃれな人」がなれる仕事ではありません。
それは、アスリート並みの体力と、職人のような技術
そして芸術家のような感性を併せ持つ、食の総合プロデューサーです。
その道は、決して楽なものではなく
厳しい下積み時代を耐え抜く覚悟が必要です。
しかし、それを乗り越えた先には
自分の「好き」という情熱で
世界中の人々の食卓を豊かにできるという
何物にも代えがたい揺るぎない誇りが待っています。
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