バリスタの仕事とは?
なり方・やりがいから
「キツい」と言われる理由まで徹底解説!
カフェから漂う、芳醇なコーヒーの香り。
エスプレッソマシンを巧みに操り
美しいラテアートを描き出す「バリスタ」。
その洗練された所作と専門的な姿は
「カフェ店員」とは一線を画す
多くの人が憧れる職業です。
「コーヒーが好き」を仕事にできる
最高にクリエイティブな仕事。
しかし、その華やかなイメージの裏には
一杯の完璧なコーヒーを淹れるための
地道な努力と職人としての厳しい現実が存在します。
この記事では、そんなバリスタという仕事のリアルを徹底的に解剖します。
具体的な仕事内容は?
「コーヒーの専門家」
バリスタ(Barista)とは
イタリア語で「バールでサービスをする人」を意味します。
日本では特に、エスプレッソマシンを扱う
コーヒーのプロフェッショナルを指します。
その仕事は、単に「レジを打つ」「コーヒーを注ぐ」だけではありません。
• 1. エスプレッソの抽出とドリンク作成
これが最も中核となる仕事です。
• エスプレッソの抽出
その日の気温や湿度、豆の状態を読み解き
グラインダー(豆を挽く機械)の挽き目をミリ単位で調整し
エスプレッソマシンで「完璧な一杯」を抽出します。
• スチームとラテアート
ミルクをきめ細かく泡立て(スチーミング)
ラテやカプチーノに美しい模様を描きます。
• 2. コーヒーの知識と提案
豆の種類、産地、焙煎度合いといった専門知識を駆使し
お客様の好みに合わせて
「今日のおすすめ」や「豆の選び方」を提案する
コーヒーの伝道師としての役割も担います。
• 3. 店舗運営業務
一般的なカフェ店員としての業務も当然行います。
• 接客・レジ業務
お客様の注文を受け、笑顔でコミュニケーションを取ります。
• 清掃・準備
エスプレッソマシンやグラインダーの分解清掃
豆の補充、開店・閉店作業など
地道な裏方作業が非常に多くあります。
バリスタになるには?
必要な資格は?
A. 法律で定められた必須の国家資格はありません。
しかし、プロとしての信頼と技術の証明になる
民間資格が存在します。
バリスタは「名乗ればなれる」職業ですが
現実には専門技術がなければ務まりません。
【持っていると有利な民間資格】
• JBAバリスタライセンス(日本バリスタ協会認定)
日本のバリスタ資格として
非常に知名度と信頼性が高い資格です。
• SCAJ コーヒーマイスター(日本スペシャルティコーヒー協会認定)
コーヒー全般(豆の知識から抽出まで)に関する
高度な知識を持つ証明となります。
【一般的なキャリアパス】
多くの場合、まずはカフェやコーヒースタンドで
アルバイトまたは正社員として働き始めます。
そこで、先輩バリスタの指導のもと
皿洗いや接客からスタートし
少しずつマシンの使い方を学び
実践(OJT)を通じて技術を習得していくのが最も王道な道です。
仕事のやりがいと大変なこと・厳しさ
やりがい
究極の「好き」を形にする喜び
• 「最高の一杯」を提供できた時の達成感
その日のコンディションを完璧に読み切り
寸分違わぬエスプレッソが抽出できた時。
そして、美しいラテアートが描けた時。
その職人としての達成感は、何物にも代えがたいものです。
• お客様の「美味しい!」という笑顔
「あなたの淹れたコーヒーが一番美味しい」
「このラテアート、可愛い!」と
お客様から直接喜びの声をかけてもらえることが
日々のモチベーションになります。
• 奥深いコーヒーの世界を探求できる
豆の産地、焙煎、淹れ方…
知れば知るほど奥深い「コーヒー沼」を探求し続けられる
知的な喜びがあります。
大変なこと・厳しいこと
華やかなイメージとのギャップ
• 体力勝負の「立ち仕事」
一日中立ちっぱなしは当たり前。
ランチタイムや朝のラッシュ時には
戦場のように忙しくなります。
• 地道な「ルーティンワーク」
ラテアートのような華やかな作業は
仕事の一部。営業前後のマシン清掃、豆の補充、在庫管理
そして無数の洗い物といった、地道な作業が延々と続きます。
• 技術習得の難しさ
ラテアートは、練習すればすぐにできるものではありません。
何百杯、何千杯と練習して、ようやく形になります。
また、エスプレッソの味を一定に保つことは
マシンの微調整が毎日必要となる、最も難しく、終わりのない技術です。
• 手荒れや火傷のリスク
水仕事による手荒れや、スチーム(蒸気)による火傷は
バリスタの職業病とも言えます。
あなたはどっち?
バリスタに向いている人・向いていない人
【向いている人の特徴】
• 何よりもまず、コーヒーが好きで、探求心が尽きない人
• 地道な作業を、コツコツと続けられる忍耐力がある人
• 手先が器用で、細かい作業に集中できる「職人気質」の人
• 人と話すのが好きで、おもてなしの心を持つ人
• 忙しい状況でも、冷静に優先順位をつけて動ける人
【向いていない人の特徴】
• 大雑把な性格で、細かい調整が苦手な人
• 単純な作業や、ルーティンワークが嫌いな人
• 体力に自信がない人、立ち仕事が苦手な人
• 「華やかな部分」だけをやりたい人
• コーヒーにあまり興味がない人
コーヒー好きの最高にクリエイティブな仕事
バリスタは、単なる「カフェの店員」ではありません。
それは、科学的な知識と、芸術的な感性
そして何よりもコーヒーへの深い愛情をもって
人々の日常に「最高の一杯」という幸せを届ける誇り高き「職人」です。
その道は、決して楽なものではなく
地道な反復練習と日々の探求が求められます。
しかし、それを乗り越えた先には
自分の技術で人を笑顔にできるという
何物にも代えがたい、芳醇なやりがいが待っています。
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