働く環境や仕事内容は? 調理師の仕事
今回は調理師になります。食に関する仕事と言われて真っ先に思いつくものの一つだと思います。調理師はホテルやレストラン、専門店、独立して自営の他に病院や学校給食などがあり、職場は多岐にわたります。

調理師の仕事
調理師の仕事は食品、食材を調理、調味して提供することが基本的な業務になります。作った料理を提供するために様々な工程が存在します。むしろ料理を作ることよりもそれまでの下準備の方が多くの時間を必要とします。どのようなものがあるのでしょうか?
仕込み
この作業がないとそこから先の作業がスムーズにいかなくなります。それほど重要な作業でもあります。お店の開店前や前日の閉店後に、もしくは数日前から
- 食材を切る
- 予め調味液に浸して味を染み込ませておく
- 皮や殻を剥いておく
- 茹でておく
など仕込み作業は職場によって様々です。
包丁研ぎ
調理師は先ずはこの作業から覚えるという人も多いと思います。切れ味の悪い包丁は切り傷の治りも遅く、綺麗に食材を切ることができず何も良いことがありません。マイ包丁を使う職場や既に職場に置いてある包丁を使うところもあります。
個人的には共同で使用する包丁は
【誰かが研いでくれるだろう】
という考えが生まれて本当に切れ味が悪くなるまで誰も研がないようなイメージあります。そうならないために日毎に担当を決めておくのが良いと思います。 昔の職場では先輩の使用した包丁を新入りに全部研がせるような職場も存在したそうです。良くない職場です。
食器洗浄
職場が広いところ、特に衛生管理を徹底しているような病院や学校給食のような大量調理に関しては衛生区域と非衛生区域をハッキリと線引きしていて下膳された食器は非衛生区域内で洗浄、水切り、殺菌をしてから使用します。基本的にはどの職場も忙しいですが、職場によっては洗浄スペースは文字通り戦場となります。
開店準備と閉店作業
お店の場合、食材の仕込み作業に加えて、開店準備もあるので出勤時間は非常に早い職場が多いです。看板を出したりテーブルのピッチャーに水を準備したり、各テーブルの水拭き、調味料を準備したり…お店によってはガラスープを作り始めたり料理に使用する調味液を合わせておいたり…新入りにそれら全てを任せるような職場も存在します。
閉店作業はお客さんが退店した後の店内の清掃や食器の下膳、そのタイミングで次の日の食材の仕込み作業も同時進行で行う職場もあります。
そして…現在では働き方改革が行われてどこまで改善されたかは分かりませんが昔は開店準備から閉店作業、仕込みを全て新入りに任せる職場もありました。帰宅後数時間後に出勤、むしろ職場に泊まり込み、そのまま仕事開始という職場も普通にあったそうです。
いよいよ調理業務
やっとかよ…と思われるかもしれませんが、お店ではお客さんの1番の目的、料理を提供する最も大切な工程になりますので新入りでいきなり料理を任せてもらえるのは余程のことがない限りはなかなか難しいと思います。
調理方法に関しても様々な種類があるので今回は省略させていただきます。
特に加熱をしない調理、和え物やサラダなどに関しては加熱で菌を死滅させることができないため、細心の注意が必要になります。パティシエ業界に関しても加熱を伴わない作業が多く、衛生面に関しては特に厳しく言われています。

非常にブラック
調理師は職人職になりますのでどうしても気性の荒い従業員や強いこだわりを持った人が多い傾向にあります。そして多くの作業工程にお客様対応、時間との勝負、刃物使用による切り傷や加熱調理による火傷など…環境は厳しいものがあります。ある職場では罵声が飛び交い、真っ白な新入りの調理師の作業服が夜には足跡だらけになるという話を聞いたこともあります…。先輩達の手がふさがっているので足で新入りを使うとか…。
お店はそれらにプラスして接客が追加されます。オーダーをとったり完成した料理を目の前に運ぶ作業が必要になります。料理を作らせてもらえない新入りの時代にはこのタイミングでお客さんから料理に対する生の声を聞くことができるのでそれは自身の成長に繋がると思います。
時には料理そのものや提供スタイル、遅いなどと あります(クレーム)。それらに対応、改善をしていく必要があります。ただ、ご馳走様でしたと直接声も頂けるのは今後の大きな励みになるのではないでしょうか?
ホワイトな職場
ブラックな職場の多いイメージの調理師業界ですが、病院や学校給食のような大量調理の職場に関しては比較的ホワイトな職場が多いように感じます。既に提供するものや量が決まっていて、それを提供するのに必要な人数もハッキリとしているところが多いです。そのためイレギュラーが発生しない限りは決められた作業をこなすことが日々の業務となってきます。提供する時間も決められているのでそれまでに終了できるように時間を見ながらの作業が非常に重要になってきます。基本的に遅れることは許されないので少し余裕のあるメンバー編成になっている職場が多いです。
調理師免許
免許に関してですが、取得方法は2つあり、1つは調理師専門学校の卒業、その後各役所に申請書類を提出することで取得することができます。卒業だけでは交付されませんので注意が必要です。
そしてもう1つは調理に携わる業務を 2年間以上経験し、国家試験を受けて合格点以上とることで取得することができます。この場合は調理師専門学校で学んできた内容を独学で覚えることになるので時間と努力が必要になります。
持っていない人も働ける!?
基本的には調理師免許を持っている状態で就職するのが望ましいですが、職場に就いてから調理師免許を取得する人も多くいます。残業の多いような大変な職場では勉強の時間を作ることが難しく、多くの時間がかかってしまうこともあります。これから取得する予定の人は試験予定日とスケジュールを確認しながら取得時期をしっかり決めておきましょう!
今回具体的な内容までは触れていませんが、調理師の仕事は大変な反面、どんどん技術を身につけていけるやりがいとお客様から頂けるご馳走様でした 美味しかったです という言葉は非常に喜ばしいものがあると思います。
衣食住の食に当たる仕事になりますので決してなくすことのできない仕事のひとつだと思います。
外食する際はそんな人たちの頑張りがあって料理が提供されますのでありがたく頂きましょう。

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