ICL
今回はICLについてお話していきます.
ICLとは
ICLはインプラント コンタクト レンズの略で、その名の通り眼球の中にコンタクトレンズを挿入する視力矯正方法になります。眼の虹彩と水晶体の間に挿入することで視力を矯正します。
着脱式の使い捨てコンタクトレンズと違って毎日のお手入れ(1Dayを除く)や装着時の異物感、ごろつき、眼の渇きやうまくフィットなどのストレスはなく、着脱の必要もないので朝起きてから寝るまでいつでもよく見える状態がキープできます。
ICLの歴史について
- 実は40年以上も前に開発がスタート
- 実用化されてからすでに30年以上も経っています
- 日本で認可されたのは2010年になります
- 2014年にはレンズの中心部分に穴を開けることで眼の中の水分の流れを止めることなく装着し続けることができるようになったため虹彩に穴を開ける工程がなくなりました
- 2016年には新開発のレンズ EVO+(光学部拡大モデル)が承認されました。これによりICLの欠点ともいえるハロー・グレア現象の軽減が期待されるようになりました
手術方法
- 当日に眼の状態の確認
- 瞳を広げる液を点眼
- 眼に麻酔液を何度も点眼
- マーカーのようなペンで眼に直接印をつける
- 手術台に仰向けになります
- 頭を横にして消毒液掛け流しの状態で眼の消毒をします
- 眼の収まっている骨の部分に瞼を広げる器具を装着して瞬きできないようにします
- 黒目と白目の境部分を3mmほど切開
- そこから筒状に丸めたレンズを挿入
- 眼の中で広げて虹彩と水晶体の間にレンズを固定、眼の中心にくるように微調整します。ここで手術終了
- 個室に移動して30分ほど横になり休憩
- 最後に眼の状態を確認して目を保護するゴーグルのようなメガネと点眼液数種類を受け取り帰宅
このような流れでした。
ハロー・グレア現象?
ハロー・グレアとは(特に暗いところで明るい)光を見た時にその光の周りにリングが浮かび上がったり光がぎらついたりする現象のことをいいます。 目の表面を目薬などで満たして目を細めながら光を見ると光が滲むような見え方がする、イメージとしてはあのような感じです。見えはするけど気になるくらいの感じです。しかしこの現象も時間の経過とともに徐々に慣れていくそうで、術後1年以上経った今ではリング状の光は気にならなくなったのか、もう見えなくなりました。
費用は?
特殊なコンタクトレンズを挿入する手術になりますのでまぁまぁな金額になります。数年前は80万円程するようなクリニックもありましたが最近ではレンズにより税込50万円でお釣りが返ってくる程にまで価格が改定されました。とはいえまだまだレーシックの方が金額は抑えられています。
レーシックとはどう違う?
レーシックはよくICLの比較の対象になります。レーシックがどのようなものなのかというと、
メリットデメリットで比較
視力が矯正されたことによってコンタクトレンズやメガネから解放されることは言うまでもありませんのでそれぞれ2つの手術がどのように違うのか、メリットデメリットをみながら2つの手術を比較してみましょう。
- 手術前の視力に戻る可能性が非常に低い
- 重度の近視でも手術可能
- 角膜が薄い人でも手術可能
- レーシック以上に見え方がクリア
- 目からの紫外線を大幅にブロック
- 切開する部分は3mm程で角膜を削ることもないので目の負担が最小限
- ケアなど着脱の必要がない
- 万が一眼の病気になった場合はレンズを外すことが可能
- 術後数ヶ月間 ハロー・グレア現象が生じる(個人差あり)
- ひとりひとりに合ったレンズを使用するので在庫がない場合は数ヶ月時間がかかってしまうこともある
- 手術費用が高い(加入している保険会社によっては
- 医療費の負担を減らせることもあるようですので1度問い合わせてみましょう。)
- 価格が安い
- 低確率ではありますが視力が手術前の状態に戻る可能性がある(近視戻り)
- 重度の近視は手術不可
- 角膜が薄い人は手術不可
- 角膜を削るので1度薄くしてしまったら元に戻すことができない
- ICLに比べて見え方が良くない
- 万が一目の病気になった場合、術後の治療は高度なものになる
- ドライアイになりやすい
- ハロー・グレア現象が起こりやすくなる
などが挙げられます。
何度も受けられるものではないので視力戻りがほぼないというのは非常にありがたいです。多少値が張ってもICLの方がメリットが目立つような結果になったと思います。
アフターケア
僕が受けたクリニックでは1年間の保証があり、それまでに受け取った点眼薬がなくなってしまったら再度受け取ることもできました。万が一見え方がおかしくなった際は診察してもらうことができますし、その期間で通院があるのでその都度状態を確認してもらうことができました。現在の視力は左目(利き目)が2.0 右目が1.5以上を維持できています。もちろん日常生活で眼の異常は感じません。
手術の感想
多少の不安はありましたが担当者の方の説明も非常に丁寧でリラックスして臨めたと思います。マーカーのようなペンで目に直接印をつけられたのは手術工程の中で一番驚きました。その後の消毒は痛みではないもののしみる感覚がありました。
そして眼の切開ですが、消毒液と麻酔液で眼の表面が覆われていてかつ瞳が広がっていて手術台目の前にはとても眩しいライトが目を照らしているのでいつ切開したのかは気がつきませんでした。レンズを挿入して広げた瞬間はなんとなく見え方が変わった感覚があったので今入ったのかな?と思うことはありましたがまともに見えるようになったのは手術台から起き上がった時でした。
眼の切開からレンズ挿入までは体感で2〜3分くらいに感じました。実際は両目各5分程度かかっているそうです。利き目の左目が若干炎症気味だったようで回復には少し時間はかかりましたが今では右目以上によく見えているようです。
1週間入浴禁止!?
手術後は目の切り傷も癒えておらず水どころか市販の目薬も禁止になります。目に水が入ってしまう可能性のある入浴は原則禁止です。雨の日は極力外に出ない、水道を使う時は貰ったメガネを装着したり何かしらの対策が必要です。数日後に入浴はできるようにはなりましたが頭は洗えず…顔も濡れタオルで拭くくらいしかできませんでした。浴室では極力目をつぶった状態でできるだけ短い時間で済ませました。万が一のことを考えてなるべく汗のかきにくい涼しい季節での手術が良いと思いました。花粉症の方、特に目が痒くなりやすい方はその時期を避けてかつ涼しい日を手術日に選択すると良いと思います。
通院
手術日は帰宅できますが次の日、1週間後、1ヶ月後と1年の間に何度か通院して目の状態を診てもらうことになります。万が一何か異常が出た時にすぐに向かえるような近所のクリニックで受けるのが良いと思います。僕の場合は電車1本で通える範囲内にクリニックがあったのでそこに決めました。
これから一生付き合っていく目のことになるので人によっては難しい選択になるかもしれません。
今まで2weekのコンタクトレンズを使ってきて目の乾きや異物感、ごろつき、上手くフィットしないなど非常にストレスが続いていました。それに加えてこれからのコンタクトレンズ代、レンズの着脱作業に外したあとの目のケアやレンズの洗浄に費やす時間を考えたらすぐにでも手術を受けたいと思いました。コンタクトレンズは10年ほど使ってきましたが今回の検査でドライアイ気味になっていることがわかりました。
手術自体もいつの間にか終わっていましたし、仕事で忙しいのであれば有休を続けて取得して5日もあればかなり回復すると思います。僕はICLで視力を矯正してから生活が非常に快適になりました。
コンタクトレンズが疲れる、メガネは持ち歩きたくない…といった方はぜひチェックしてみてください!
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